🇲🇾マレーシアの州まとめ
マレーシアは3つの連邦直轄領 と13の州から構成されている。
マレーシアの国土はマレー半島とボルネオ島に分かれており、大半の州はマレー半島に集中している。
マレー半島
① 連邦直轄領クアラルンプール
マレーシアの首都。シンガポールやタイのバンコクと並ぶ東南アジア有数の都市。略称はKuala Lumpurの頭文字を取ったKL。
面積は243 km²で東京都23区の半分以下のサイズ。人口は約190万人、人口密度は名古屋市に近い。
クアラ・ルンプールは「泥川の合流地点」の意味。
KLCC(クアラルンプールシティセンター)には、クアラルンプールの象徴ペトロナスツインタワーがある。また、ビルとしては世界第2位高さを誇るムルデカタワーが2024年に完成し、クアラルンプールの新シンボルになろうとしている。
その他観光スポットは、独立記念広場、KLタワー他多数。
② 連邦直轄領プトラジャヤ
マレーシアの行政首都で、政府機関が集まるエリア。
面積はわずか49 km²で、これは東京都内の大田区や世田谷区と同程度のサイズ。
政府関係者が生活しているエリアだけあり、全体的に落ちついた雰囲気。
ペトロナスツインタワーと並ぶマレーシア2大観光名所の1つプトラモスク(通称ピンクモスク)があり、多くの観光客が訪れる。
プトラモスクを眺めながらプトラ湖を船で一周するクルーズは定番のアトラクション。
その他の観光スポットとして、プトラモスクと隣接する首相官邸、比較的新しいアイアンモスクなどが挙げられる。
近年プトラジャヤ線が開通し、クアラルンプールから電車で行けるようになったが、プトラジャヤ駅からプトラモスクまでは徒歩25分程度の距離がある。
③セランゴール州
マレーシア版神奈川+千葉。州都はシャーアラム。
人口は660万人、面積は8,104 km²と広い。クアラルンプールとプトラジャヤの周りを囲っている。
クアラルンプールの近郊の生活環境は特に充実しており、クアラルンプールにも引けを取らない程の利便性を誇るエリアもある。
主な観光スポットは、ヒンドゥー教の聖地の1つでもあるバトゥ洞窟、日本人から絶大な人気を誇るブルーモスクなど。
クアラルンプールからは少し離れるが、クアラルンプール国際空港(KLIA)や以前F1グランプリが開催されたサーキットがあるセパン、蛍の名所で知られるクアラ・セランゴールなどもセランゴール州に含まれる。
シャーアラムでは毎年、世界最大規模の盆踊り大会が開催されている。
④マラッカ州
マレーシア版京都。マレーシア始まりの地。
植民地としての歴史が長く、街自体が世界遺産として認定されている。ポルトガル、オランダ、イギリスと植民地の支配権が移り、第二次世界大戦中は日本の占領下にもなった。
州都は州の名前と同じくマラッカ。
KLからバスで2時間程度の距離にあり、日帰り旅行もできる為、KL観光とセットで訪れる観光客が多い。
全ての面で、とにかく観光がラク。
主要な観光スポットはオランダ広場周辺に集中している。フランシスコ・ザビエルの拠点にもなっていたセントポール教会、ショッピングを楽しめるジョンカーストリートなど。海岸沿いのマラッカ海峡モスクも人気スポット。
また、クリスマスにはポルトガル村に多くの人が集まる。
⑤ペラ州
スズ鉱山で発展した都市で、人口の多くを中国系が占める。州都はイポー。
クアラルンプールから3時間程度で、日帰り旅行が可能。
基本的にイポー中心部はタクシー(Grab)が拾いやすく観光はしやすいが、テンプルン洞窟など一部エリアはタクシーが捕まらないこともあるので、少し離れた場所に行く場合は運転手と交渉した方が良いかもしれない。
イポーの見どころは、中華系寺院やウォールアートなど。
食の街としても有名で、チキンライスの名店や、全国展開しているコーヒーチェーンOld Town White Coffeeの1号店などがある。犬が多い。
イポー以外の都市では、斜塔があるテロックインタンも撮影スポットとして有名。
⑥ヌグリ・スンビラン州
クアラルンプールから気軽に行けるビーチリゾートとして有名な港町ポートディクソンが属する州。州都はスレンバン。
スレンバンでは、水牛の角の形をした伝統的な屋根が特徴的。
また、新モスクのスリセンダヤンモスクはマレーシアのタージマハルと表現される事もあり、映えスポットとして近年注目を集める。
ポートディクソンにはポルトガル植民地時代に建てられたマレーシア最古の灯台がある他、国花であるハイビスカスを象って建てられたビーチリゾートホテルであるレクシスハイビスカスなどがある。
⑦パハン州
マレー半島最大の州。面積は35,964 km²で、これは日本の本州で最大の面積を誇る岩手県の2倍以上の大きさ。州の大半が熱帯雨林で覆われている。
州都はクアンタン。
マレーシアで唯一の政府公認カジノリゾートであるゲンティンハイランド、紅茶畑が有名なキャメロンハイランド他、世界で最も古い熱帯雨林を持つタマンネガラ国立公園などがある。(タマンネガラ国立公園は規模が大きく、複数の州を跨いでいる)
クアラルンプールからゲンティンハイランドまでは1時間程度で行けるが、キャメロンハイランドまではバスで6時間程かかる事からも州の広さが感じ取れる。
州都のクアンタンは、漫画「呪術廻戦」の人気キャラクター七海建人の憧れの地として描かれた事で話題になった。
⑧トレンガヌ州
マレー系が9割以上を占める為、イスラム色が強い。
州都はクアラ・トレンガヌ。
クアラ・トレンガヌの新シンボルとしてクリスタルモスクが有名だが、歴史あるホワイトモスクも美しい。また、世界中のモスクの縮小版を見れるIslamic Civilization Parkもなかなか興味深い。
ダイビングの名所レダン島があるのもこちらの州。
⑨ペナン州
東洋の真珠とも言われ、古くからマレーシアのリゾート地として有名。
州都は世界遺産の街ジョージタウン。マラッカ同様、イギリスの植民地として重要な役割を果たしていた歴史を持ち、地名は当時のイギリス国王ジョージ4世に因んでいる。
ウォールアートが有名で「自転車に乗る子供達」「バイクの少年」の前での記念撮影が定番となっている。
その他の主な観光スポットとしては、マレーシア最大の中国寺院である極楽寺や、ペナンの街を一望できるペナンヒルなどが挙げられる。
大富豪の屋敷をホテルとして改築した「ブルーマンション」で過ごす優雅な時間は素晴らしいので、ペナンを訪れる際には宿泊する事をお勧めしたい。
⑩クダ州
水田が一面に広がる、国内有数の穀倉地帯。
州都はアロースター。
観光地としては、第2のペナンを目指して観光開発が進めらたランカウイ島が有名で、日本の人気ドラマ「コンフィデンスマン」劇場版の舞台にも選ばれた。鷲はランカウイ島の象徴とされ、島内のクルーズでは多くの鷲を見る事ができる。
州都のアロースターは、マレーシア初代首相ラーマンや生きる伝説マハティール元首相の出身地として知られる。観光スポットは、マハティール元首相の育った家やザイールモスク、アロースタータワーなど。
⑪プルリス州
タイと隣接しているマレーシア最小の州。北はタイ、南はクダ州と隣接している。
州都はカンガー。
これと言った見どころは特にないが、海辺のモスクは州の象徴的建築物。
ほとんどが農業地帯で、高い建物も無いので大きな岩山が目立つ。
これぞ田舎の極み。
公共交通機関が無いのは勿論、Grabタクシーはまず拾えないと思って良いので、訪れる際は運転手の確保が必須。
⑫クランタン州
パハン州の州都クアンタンと名前が似ていて紛らわしいが、クアンタンは都市の名前で、クランタンは州。
州都はコタバル。
タイと隣接している影響から、タイ系の仏教寺院が多い。
観光スポットとして有名な場所はほとんどないが、タイ系寺院が複数あり、松の木が無数に並ぶPantai Senokのような写真映えスポットもあったりと意外と見所はある。
犬が多すぎる。
⑬ジョホール州
シンガポールと隣接している州。橋の反対岸にはシンガポールが見えるが、都心部は見えないので景色としての魅力は無い。
州都はジョホールバル。
サッカー日本代表が初めてワールドカップ出場を決めた地として、日本のサッカーファンの間では有名な地。また、ジョホールバルを拠点とするジョホールFCはマレーシアのサッカーリーグで圧倒的な強さを誇り、Jリーグの強豪を破るほどの実力を持つ。以前まではラルキンスタジアムを拠点としていたが、近年、新スタジアムであるスルタンイブラヒムスタジアムが完成した為、現在はそちらがメインのスタジアムとなっている。
観光スポットとして、レゴランドやユーラシア大陸最南端の地などがある。
ボルネオ島
ボルネオ島全土がマレーシアの国土という訳ではなく、ボルネオ島内でブルネイ領、マレーシア領、インドネシア領に分かれている。
クアラルンプールから飛行機で約2時間半。クアラルンプールからだとタイのバンコクより遠い距離。
ボルネオ島では、世界最大の花ラフレシアや、絶滅危惧種であるテングザルを見る事ができる。
⑭サバ州
ボルネオ島北部の州。マレーシアの最高峰キナバル山があることで知られる。
州都はコタキナバル。
キナバル山ふもとの街クンダサンはキナバル山を望む絶景スポットで、運次第ではラフレシアも見る事ができる。クンダサンは公共交通手段が無い上にGrabやタクシーの確保も難しい為、コタキナバルから往復の運転手を確保しておく必要がある。
コタキナバルの夕日スポットであるタンジュンアルビーチは地元民から愛されている。
⑮サラワク州
ボルネオ島に位置するマレーシア最大の州。
面積は124,450 km²と超広大で、北海道の約1.5倍。
州都はクチン。
クチンはマレー語で猫の意味し、街中では至る所で猫の像を見る事ができる。
クチン周辺は見どころも多くアクセスも良いので、個人的にはトップクラスにオススメしたい旅行先の一つ。
絶滅危惧種であるテングザルが生息するバコナショナルパーク、野生のオランウータンの保護施設セメンゴ・ワイルドライフ・リハビリセンターなど野生動物たちに出会えるエリアがある他、グヌンガディン国立公園などラフレシアが出現するスポットもある。
数百万匹のこうもりが洞窟から飛び立つドラゴンフライが有名なグヌンムル国立公園があるのもサラワク州。
⑯連邦直轄領ラブアン
ボルネオ島サバ州の沖合いに浮かぶ島。元々はサバ州に属していた。
租税回避地として知られる。
第二次世界大戦で日本軍が連合軍に降伏した島で、戦争で亡くなった方々の墓地、平和公園や平和を願って建てられた記念碑などが点在する。
これといって観光名所といえるような場所は特に無いが、一応、煙突博物館がラブアンのシンボルとされているらしい。
意外と近代的な水上集落がある。